北陸信越ブロック第9期研修チーム 第3回研修会 レポート

 

令和元年11月16日(土)17日(日)
開催場所:山中温泉文化会館 会議室/昧渓窯/山中うるし座(石川県加賀市)
講師:岡能久氏/矢口永壽氏/谷口博山氏
参加対象者:21名内第9期研修チーム他計19名

Report

長野県青年部 小澤修平さん

第三回の研修会は石川県加賀市で開催されました。
1日目の研修は(株)能作 代表取締役会長 岡 能久氏の講演からはじまりました。
漆器についての歴史 材料 産地 蒔絵について詳しく知ることができ、
お棗の木地は山中のろくろで国内の90%を作られている事には驚きました。
次に矢口永寿工房に伺いました。
苔むした園路の先にある日本家屋の二階あるお茶室で矢口永寿氏に九谷焼について、
お話しをお聞きし矢口氏や先代の作られたお茶碗でお薄をいただきました。
研修チームの中から交代でお点前をさせていただきとても楽しかったです。
その後工房を見学させていただき九谷焼の製作過程を肌で感じる事ができ、矢口氏の作品にとても感銘いたしました。
2日目は山中うるし座にて谷口 博山氏に講師をしていただいての蒔絵体験をしました。
事前に準備していった下絵を使いみんな夢中で作成していました。
漆の付け加減が仕上がりに影響するとの事で慎重に絵付けしていきなんとか時間内に完成することができました。
複雑な蒔絵はとても繊細な作業で難しさがよく分かりました。
二日間を通して改めてお道具の大切さ、作られた方の熱意が込められていることを実感いたしました。
お点前の所作も丁寧に美しく出来るよう心掛けていきたいです。
お世話になりました皆様ありがとうございました。

 

富山青年部 山森揺子さん

11月16・17日、石川県の山中で開催された第3回研修に参加いたしました。
前回の研修に参加できなかったため、久しぶりに研修チームの仲間に会うことが、とても楽しみでした。
能作の岡能之会長からは、漆や漆器の歴史・種類、作品ができるまでの工程について、
写真を見せていただきながら、お話を伺いました。一言に漆器と言っても、
木地や塗りの種類・加飾法によって雰囲気が異なり、面白いと感じました。
その後、矢口永壽さんの工房へ移動し、お茶をいただきました。
お部屋からの素敵な景色を背に、歴史あるお茶碗で一服いただくことは、心に残る貴重な経験となりました。
工房にはたくさんの作品が並んでおり、様々な工夫をされながら作陶されている様子を知ることができました。
また、一つの作品を作るために、何度も試行錯誤をされるとお話を伺い、
作品には作家さんの思いがぎゅっと詰まっていることを再認識いたしました。

2日目の蒔絵体験は、谷口博山先生よりご指導いただきました。
宿題となっていたデザイン画を菓子器に写して蒔絵をしましたが、漆で輪郭を描く作業では、
漆の量の加減が難しいと感じました。色を付けるための色粉の種類の多さにも驚き、
あれこれと悩んでいると、あっという間の3時間でした。
完成した皆の菓子器を見ると、個性的で本当に素敵なものばかりでした。

今回の研修会も充実した2日間となりました。
研修チームをはじめ、他県の方々とお話させていただく機会が増え、
改めて研修チームに参加して良かったと感じております。
残りの研修会も学びながら、楽しみながら、参加したいと思います。

 

石川青年部 松村久乃さん

山中温泉にて開催された第3回研修会は生憎の空模様でしたが、
久々の仲間たちとの再会によりとても和やかな雰囲気に包まれていました。
岡能久氏による茶道具の歴史の講義、矢口永壽氏との九谷焼工房見学、谷口博山氏による蒔絵体験指導。
今回も内容の濃い2日間でした。
今回の研修で私が印象に残ったのは2点です。まず鶴仙渓を臨みながら頂いた仲間が点てた薄茶です。
茶道で繋がった仲間たちと話をしながら互いにお茶を点て合うひとときは、とても楽しかったです。
次に蒔絵体験です。デザインを1から考え、限られた時間の中で自分の思い通りの作品を仕上げる大変さを感じることができました。
今後、お道具一つ一つに込められた作り手の思いなどを想像しながら拝見させて頂く、良いきっかけになりました。
今回も多くの皆様に支えられて研修を無事行うことができました。
本当にありがとうございました。
また、いつも一緒に学び合ってくれている仲間たちにこの場を借りて、感謝したいと思います。
いつもありがとうございます。

福井青年部 南出幸代さん

第9期研修チームの3回目の研修会が11月16~17日の2日間、石川県山中温泉で開催されました。
1日目の矢口永壽工房の茶室・工房の見学では、まず茶室に入ると障子の向こうに紅葉の景色がまるで絵画のように広がり、
雨の雫が輝いてより鮮やかさが増して、私には夢のような空間でお茶を一服いただきました。
その際、研修チームの皆さんと代わる代わるお点前とお運びをし、
和やかな空気の中で見学や講談なども行われあっという間に時間が過ぎてしまいました。
二次会では一年後の卒業茶会にむけての話し合いが行われ、
茶歴も年齢も職種も十人十色の9期でどういう茶会が作り上げられるのか楽しみになってまいりました。
2日間は谷口博山先生のご指導の元蒔絵体験が行われました。
事前にデザインを考えて、先生のお手本を参考にしながら描いていきましたが、
思うように筆は動かず線が太くなったりかすれてしまったりと思っていた以上に大変な作業で、真剣になるにつれ無言に…
なんとか出来上がった作品を見て、自己満足かもしれませんが上手に作れたと思いますし、大切に使いたいなと思いました。
またこれまでお稽古や茶会で使ってきたお道具にも作り手の思いが込められていたのだと再認識し、
今まで以上に大切に使っていきたいと思いました。
今回2日間の研修会で、1つの作品の完成までにたくさんの時間と工程、
試行錯誤があって出来上がることや作家さんの気持ちに思いを寄せながらお道具を使うことの大切さ、
そしてそのお道具で一服のお茶をいただくとき感謝の心を忘れてはいけないと改めて教えていただきました。
折り返しの3回目の研修会となりましたが、
研修チームの皆さんとの交流を楽しみながら一緒に勉強してまいりたいと思います。
有意義な2日間になりました。ありがとうございました。