第28期Report ~第3回までの研修を終えて~

第1回集合写真.jpg

第28期リーダーシップ・トレーナー出向員研修・前半を振り返って

新潟青年部 池田 誠
【はじめに】
この度、機会をいただき、第28期リーダーシップ・トレーナー研修(LT研修)に参加させていただくこととなりました。初めての体験に戸惑いつつも、「二度とないチャンスを少しでも自身の糧にしたい」という気持ちを忘れずに参加できたのではないかと思います。

2月から始まったLT研修も、7月の第48回青年研修会で全6回の半分が終了しました。
茶道や青年部について考え、自身の中で深化させる濃密な時間と環境を与えていただいたことに、坐忘斎御家元様、鵬雲斎大宗匠様、総本部の皆様、ブロック役員の皆様や支
部の先生方、背中を押してくれた新潟青年部会員、快く送り出してくれた師や社中の皆に、この場を借りて感謝申しあげます。本当にありがとうございます。

【研修報告】
昨年12月に出向員の委嘱通知をいただいてから約1カ月半。望外の喜びもつかの間、日を追うごとに少しずつプレッシャーを感じ始め、ついには期待と楽しみを上回る緊張を心の中に持ちながら、2月7日早朝、冷え込む京都駅に着きました。
初日は午後から坐忘斎御家元様ご出席の下、開講式が行われました。代表者に委嘱状が交付され、御家元様のご自身の経験を交えた言葉に、それまで抱えていた不安を上回る「これからの一年間を実りあるものにしたい」という委嘱通知をいただいたときの気持ちを改めて思い出したことを鮮明に覚えています。
開講式に続き、お呈茶と宗家拝観をさせていただきました。その後、裏千家学園にて講義研修を行い、木戸崇夫淡交会常任理事から「淡交会について」と題して、続けて長谷川義翁淡交会総本部事務局長から「御家元指導方針について」と題して講義をいただきました。

翌8日はあいにくの雨の中、大徳寺金毛閣と聚光院の拝観の後、利休居士の墓参と続きました。裏千家学園に移動した後、一人一人による3分間スピーチとなりました。長いようで短い3分間に、伝えたい思いを込めることの難しさを実感。
そして、気が付けばあっという間に第1回研修が終了。初めてのことに緊張続きの2日間でしたが、縁あってこれから一緒に学ばせていただく仲間との一年がスタートしました。
(帰りは強風のため特急サンダーバードが遅延。午後4時に京都を出発したものの、直江津には午後11時過ぎに到着、というおまけがつきました)

第2回研修は、緑の美しい4月18日(土)、19日(日)の両日、裏千家学園で行われました。開講式では、関根秀治淡交会副理事長からのご挨拶に続き、小川愛一郎全国代表者会議議長、行松宏展副議長、正副役員の皆様から激励の言葉をいただきました。(入室された時に、隣に座っていた松岡さんと二人で目を丸くしたのを憶えています)。
研修では、松尾拓二組織部課長から「青年部について」と題した講義をいただきました。青年部について、改めてしっかりと学ぶ有意義な講義となりました。その後、グループに分かれ、模擬青年部として課題解決の方策について検討を行いました。翌日には、パスト全国委員の米澤昭博様から「青年部活動の喜び」をテーマに講演をいただきました。私たちがこの研修に参加できる所以やその意味、未来に向かってどう向かい合っていくのか、示唆に富み、すっと沁み入る講演でした。

第3回研修は、7月17日(金)夕方からのオリエンテーションを経て、18日(土)から20日(月・祝)まで、茶道会館及び裏千家学園を会場に行われました。台風接近により交通機関に遅延等が発生し、前泊に予定を変更されるなど、慌ただしい初日となりました。
オリエンテーションに先立ち、LTの自主研修として数グループに分かれての帛紗の染色体験を行いました。体験を受け入れていただいた北村善染工所様のご厚意で、各々のイメージする緑色を作っていただき、一人一人が自分で染色する貴重な体験となりました。
夕方からは、オリエンテーションに合わせて、LTによる呈茶をさせていただきました。夏とは思えない大雨の中、集まった皆さんに少し落ち着いていただけたのではないかと思います。(一方で、班長となってしまった自分は、頭の中が白くなっていました。)

翌日から、いよいよ研修となりました。前日に引き続き、あいにくの雨となりましたが、開講式での御家元様のお言葉に、自身の気持ちが自然と、これからの研修に集中していくのを感じました。開講式の後、各々の教場に移動し研修が始まります。3日間を半日ずつ、6名の業躰先生にご指導をいただきました。初めて体験する業躰先生のご指導と教場の雰囲気。3日間を通して茶道に集中し、自然と背筋が伸び、見聞きする言葉を憶えようと集中力が高まる、とても濃密な時間となりました。拙い班長も、優しい班員の方々にサポートしていただいた3日間となりました。

第3回(青年研修会)写真(第10班のみなさんと).jpg

【おわりに】
この研修でしか体験し得ないプログラムと、熱い思いを持って参加されている29名の仲間との経験は「あっという間の時間」というのが正直な感想です。送り出していただいた皆様に感謝し、これまでの経験を少しでもブロックや新潟青年部の活動に活かすとともに、残りの研修を実りあるものにできるよう、積極的に参加していきたいと思います。

第3回までの研修を終えての報告・感想

石川青年部  大倉 奈美

今期第28期リーダーシップ・トレーナー出向研修に参加させていただいております。
2月の開講式。坐忘斎御家元様の「不安な気持ちはみんな同じです。自分だけ不安だと思わずに精一杯研修に励んでください」との温かいお言葉で研修はスタートしました。

第1回目の研修内容は、長谷川組織部部長から「御家元指導方針」について、木戸淡交会常任理事から「淡交会について」の講義を受け、翌日は大徳寺金毛閣及び聚光院の拝観、利休居士墓参がありました。
第2回目は、松尾組織部課長から「青年部について」、米澤元青年部全国代表者会議議長からは「青年部活動の喜びについて」の講義を受け、午後は青年部が抱える問題について模擬青年部をグループに分かれて行いました。

そして第3回目は青年研修会を受けて参りました。
講義では青年部OBの米澤様のお話が心に残っています。新しい会員を増やすことも大切だが、寂しい思いをしてやめていく人をなくすことがもっと大切である、自分は青年部という組織の中の歯車の一つと心得る、私たちは過去の先輩方が耕したものの収穫物を食べている。食べるだけでなく後輩たちのために福田(ふくでん)を耕さなければならないなど、長年にわたり青年部で活躍された大先輩のお話は私にとってとても大切なものとなりました。

講義以外でも同期の仲間からたくさんの刺激を受けております。第3回目の研修(青年研修会)では初日のオリエンテーションで研修会に来られた方へLT出向員一同でお呈茶をしたのですが、そこでの同期の働きぶりがとても印象的でした。皆が割り振られた担当において、自分のやるべきこと、自分のできることをてきぱきとこなしている姿が素晴らしかったです。LTは将来のリーダー育成とのことですが、すでに一人一人がリーダーの働きぶりで(自青年部で役員をされている方ばかりなので当たり前なのかもしれませんが)、 数回しか会ったことがなくお呈茶の打ち合わせもメールで行っていたのに、準備から片付けまで滞りなく終え、いかに仲間が社中や青年部で研鑚を積まれているのかを目の当たりにして、自分ももっと頑張らねばと思いました。

LT研修も6回のうち半分がおわりました。研修前はたったの6回かと思いましたが、振り返ると1回1回がとても重みのある研修で、今は6回もというように感じます。米澤様はこれからのヒントは他ブロック青年部にあるとおっしゃっていました。残りの研修も同期の仲間と交流を深め、多くの気づきや学びを得て参りたいと思います。

第28期LT研修に参加して(第1回~3回)

石川南青年部  松岡 未果
青年部の先輩よりLTに行ってみたらどうかと勧められ、「LTは研修チームの全国版みたいなもので、全国にお茶の友達ができるよ」の一言にあまり考えもなく行ってみようと思い、社中の先生に相談しました。先生も「チャンスがあるうちに行っておいで、もしわからないことがあったら一緒に勉強しよう」と背中を押してくださり、LTに参加することになりました。

第1回研修は2月に行われ、茶道会館で開講式を迎えました。参加者にブロックでお見かけしたことのある顔があることにほっとしつつ、これから京都で1年間勉強するのだなというしみじみとした思いと、とびっきりの緊張の中、私のLT初日が始まりました。
開講式ではお家元より「フェスティナレンテ」(スペイン語で「ゆっくり急げ」の意味)というお言葉と、「緊張と気負いで自分を縛ることなくしっかり学んでください」とのご挨拶をいただきました。今日庵を見学したのち、裏千家学園でいよいよ講義がスタートしました。初日はお家元の指導方針、淡交会について丁寧にご説明いただきました。
その日の晩、LT同期での初ミーティングが開かれました。正・副代表幹事などを決めるのが目的でしたが、代表幹事選出の際、リーダーになるために来ているのに立候補しないのはおかしい!の一言に始まり、かなりの方が総本部からの案内以外のLTの1年間の予定について知っていること、みんなの青年部のリーダーになるのだという凄い意気込みに私は衝撃を受け、とんでもないところに来てしまったとすっかり尻込みしてしまいました。翌日迎えた3分間スピーチは内容を考えていたにも関わらず、昨晩の衝撃から立ち直れないままの私はとにかく緊張し、すっかり舞い上がってしまいました。

研修から帰った翌日、衝撃第二波がやってきました。八つ委員会を作るのでどの委員会に参加しますかということと委員長・副委員長の立候補の募集、そして添えられた一言、リーダーになるために参加しているので1年間の間に必ず何かしらでリーダーの役割をやっていただきますとのコメントでした。私にとってはとどめの一言。大変なところに参加してしまった、2回目に行くのが怖い、そう感じてしまいました。

その後、3月にブロック研修会がありLTの発表が行われましたが正直ブルーな気分でした。同期のメンバーは私ほどの衝撃はなかったのかとても上手に話されていました。その後の懇親会でブロック役員の方々に第1回の研修の感想をいろいろ聞かれましたが、正直にお伝えする以外になく、そのままをお話ししたところ、例年のLTより気合が入っていてすごいね、でもきっと大丈夫と言われ、ずいぶんとホッとしました。その後LTグループでラインのやり取りが始まると、人柄や優しさ、みんなお茶が好きなのだなということ、他にも不安を覚えた方などがいらっしゃるとわかって、なんとなく2回目も行けそうという気持ちになっていきました。

第2回目の研修は4月で、青年部の設立からの流れについての講義からスタートで、青年部ができた頃の最初の支部と青年部のエピソードも聞けて貴重な機会となりました。次は模擬青年部によるグループディスカッションでした。同じような課題を抱える青年部同士のグループで話し合いだったので、青年部での取り組みや日頃の声のかけ方など今後も青年部で参考になるお話がたくさん聞けました。翌日の研修では青年部OBの米澤昭博様より「まだ見ぬ人のために」というお話をいただきました。次のために何ができるか、「福田を耕す」私が最も心に残った一言でした。2回目の研修は本当に参考になること、気づかされること、すぐに実践に生かせる学びが多い研修となりました。

第2回目研修の翌日が偶然、建仁寺の四頭茶会が開かれる日で、有志が集まって参加することになり、お茶の始まりが見られるお茶会ということで私も参加させていただきました。本席の他にもいろいろお席がありましたが、やっぱり本席が一種独特でとっても印象深いものがありました。2回目にしてこんな貴重な体験を同期と共にできること、みんなが次から次とやりたいことを提案しそれが実行されていくことに、初回後の不安はどこへやらすっかりLTが楽しくなっていました。

第三回研修は青年研修会でした。全国から参加されるLT以外の50名をおもてなしするということで、LTで呈茶をすることになりました。呈茶は自主的なもののため、お茶以外はすべて自分達で持寄りでした。たった2回の打合せとラインだけのやり取りでテーマ決めから、お菓子選び、当日までのいろんな準備ができ、当日もみんなさっと自分の役割を見つけて動けていて、このお呈茶はみんなの底力を感じました。青年研修会は3日間業躰先生にご指導をいただくという貴重な機会でした。こちらも始まるまではドキドキ、お点前中は超ドキドキでしたが、お客様のお稽古の時と見学の時は楽しく、終わってみれば本当に充実した3日間でした。

そして研修外で交わすそれぞれの青年部活動や各地のお茶会情報、同期との情報交換は本当に勉強になりますし、楽しいし、驚きにあふれています。
気軽に決めて、1回目で逃げたくなって、なのに今ではすっかり楽しんでいます。LTというところは本当にすごいところだと感じています。今回こんな経験をさせていただいて、LTを勧めてくれた先輩、励ましてくださったブロック役員の方々、そして社中の先生に本当に感謝しています。そしてあと半分、いっぱい楽しんで、いっぱい学んできたいと思います。

第3回までのLT研修を終えて

長野県青年部  小池 智久
本年2月7日、8日にかけて、第28期LT出向員研修開講式と第1回研修会が行われました。学生時代に、幾度となく通いなれた京都までの道のりが、緊張と不安で随分と長く感じたことが、昨日のように思い出されます。

茶道会館での開講式では、生涯で初めて坐忘斎お家元様にお目にかかりましたが、直前までの張りつめた空気が嘘のような、やさしい表情に少し安心したことを覚えています。お家元様からは、ご自身が他の団体に出向された際、随分と不安だったという体験談や「Festina lente (ゆっくり急ぎなさい)」というお言葉を頂戴致しました。お話を通して、全国から集まった周りの出向員も私と同じ気持ちであることを知り、緊張と不安がいつの間にか一年間の研修を頑張ろうという気持ちに変わっていった事が印象に残っています。
翌日の研修では、大徳寺金毛閣と聚光院の拝観、利休居士墓参の後、裏千家学園での3分間スピーチで、皆それぞれの思いや一年間の抱負を聞くことができました。

第2回目の研修は、4月18日、19日に青年部について理解を深めることを目的に行われました。1日目の開講式には、青年部全国委員正副役員会のため宗家を訪れていた役員の皆さまにご出席頂き、激励のお言葉を頂戴致しました。続いて、同じような問題を抱える青年部ごと5つのグループに分かれ、部長や幹事などを設定し、青年部の運営シミュレーションを体験しました。具体的に現在所属している青年部が抱える問題を背景に設定し、その背景の中でどのような問題が発生する可能性があるか、また、どのような対策を行い、どのような活動ができるか考え、話し合いました。結果、背景が異なるグループであっても、青年部会員や親先生とのコミュニケーションの重要性など、対策が似ていることが多かったことで、今の長野県青年部に対して自分自身に何ができるか考える良い機会になりました。

2日目のOB講演では、パスト全国委員で元青年部全国代表者会議議長を務められた、米澤 昭博氏のお話を聞きました。ご自身で体験された中で学ばれたこと、リーダーとしての心構えについてとても分かり易く話して頂きました。お話の中で、自分の社中でのお稽古の大切さや、師匠とのコミュニケーションの大切さを説いて頂きました。

3回目の研修は、第48回裏千家青年研修会の受講となりました。LT研修出向員30名を含め、全国から79名が集まりました。3日間、午前の部、午後の部に分かれ、幾つかの教場で業躰先生に直接お点前をご指導頂きました。私自身、怖いイメージが先行しておりましたが、とても優しく丁寧なご指導で、研修を終えるころには、茶道に対する考え方、日々のお稽古に向かう姿勢が変わり始めたことに気がつきました。普段のお稽古とは違う緊張感がありますが、とても勉強になりました。今回は残念ながら、長野県青年部からは受講者はいませんでしたが、一生に一度、青年部に在籍しているときにしか受講できない研修会ですので、多くの会員に参加してほしいと思います。

今回の青年研修会において私は、光栄にも閉講式でのお家元さまへの謝辞を述べる大役を仰せつかっておりました。研修会が終わり、周りの仲間が一息ついているにも関わらず、最後の最後まで気の抜けない状態でしたが、私の人生においてとても貴重な体験をさせて頂きました。
総本部より指名を受けた際には、日々の仕事が手につかない程でしたが、今では感謝するばかりです。

次回、9月の研修を含め、LT研修も残り3回となりました。研修以外でも、出向員の間で日々連絡や近況報告のやり取りがあります。地元で頑張っている姿を見ると、自分も負けてられないなぁと、不思議とやる気が出てきます。明るくて気持ちの良い人間ばかりです。そんな仲間とご一緒出来る縁を頂けたことを感謝しております。
一年間の研修を終えて、自分が成長しているか分かりませんが、残りの研修をしっかりと頑張っていきたいと思います。