第29期LT出向員レポート

29期LT出向員 集合写真

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新潟青年部 磯部寛子

この度、第29期リーダーシップトレーナー出向の機会をいただき、おかげ様で無事に1年間研修を終えてまいりました。このようなすばらしい機会をいただきましたことに感謝いたします。
緊張と期待で胸を高鳴らせながら臨んだ開講式。御家元から、「この1年は自分の引き出しを開けて、中に何が入っているか確認してみる、そんな年にしてみてください」というお言葉をいただきました。1年間の研修を終えて、自分の引き出しの中に何が入っていて、何が変ったのか、整理・消化・吸収するまでに、正直なところまだ時間がかかりそうです。ただ、確かに言えることは、この1年で私の引き出しの中の空気が大きく変わったということです。私は、今回の29期LTと並行して、北陸信越ブロックの第7期研修チームにも参加させていただきました。研修チームに参加したことによって、北陸信越ブロックの各地で青年部活動に励む仲間の存在に刺激を受け、自身の世界がまず大きく広がりました。さらにLTでその輪がブロックから全国に広がり、この研修に参加しなければ得られなかった多くのチャンスと出会いが、さわやかな風となって私の引き出しの中に吹き込んできた、そんな1年でした。
1年間の研修の中で、数々の貴重なご講義を拝聴しましたが、心に残っているお言葉が2つあります。原昌三元青年部全国委員長様の「自分がリスペクトされる人間になるより、相手をリスペクトすること」、そして関根秀治淡交会副理事長様の「リーダーは人と人との交わりの中でリードする存在。心が形になってあらわれるため、どのような心をみがきあげているかが大事。心を磨き上げるには技をしっかり磨くこと。」というお話でした。どちらも、原点に還り、人間としての自身の生き方について、改めてはっとさせられました。そして、1番の学びは同期の皆からでした。LTに参加する人たちだから、きっとバリバリと意見を言う人ばかりなんだろう、と怖気づいていた私ですが、志を同じくする皆はいつもあたたかく、誰かが必ず誰かのことを思いやり見守っている、そんな関係でした。私だったら、どの人がリーダーだとしてもついていきたい、そう思えるメンバーばかりでした。後半からは12月の全国代表者会議の呈茶についての話し合いの比重が多くなり、11月に入ってからは電話会議の日々が続きました。私は、お茶・お花・お菓子のチームに所属しておりました。皆、仕事や所属青年部の活動で忙しい中、なかなか思うように話し合いがすすまず、また日にちも迫っていく中、普通であれば起りうる苛立ちやチーム内の空気が悪くなることが一切ありませんでした。何回も案がだめになっても、いつも明るく、前向きに、笑いを交えながら話し合いを進めることができました。自身も所属青年部で、こんな雰囲気を作っていきたい、そう強く思いました。
この貴重な1年間の経験を、これから所属青年部、そしてブロックへと、いつかは導いてくださった先輩方のように、今度は自身が未来の人たちの道しるべとなりお返しできるよう、今後とも精進していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

長野県青年部 宮島 陽子

一年間の研修を終え一番思うことは、出会ったものすべてが本当にかけがえのないご縁であったということです。
2月の開講式、私は緊張や不安は何もなくワクワクした期待しかありませんでした。
雪国信州とは違い、上品な小雪が舞う中、全員で大徳寺金毛閣・聚光院を参拝、一年の精進を誓いました。
皆の頂点に君臨する存在ではなく、輪を作りその中心となり一緒に成長していける、それが私の思うリーダー像、3分間スピーチでそのようにお話したのは、私の回りには尊敬できるそのような先輩方が大勢いらっしゃるからです。一年を通じて少しでも成長できる自分でありたいと願いました。
この一年は師匠をはじめ社中同門のありがたさを感じた一年でもありました。
いつも公私ともに私の道しるべとなる師匠が、私のLT報告を聞き、おかげで自分のお茶の世界もぐんと広がった、とおっしゃったのです。
私の世界を広げてくださっているのは師匠ですのに、その師匠がこのようにおっしゃってくれたことは、私の研修の励みにもなり、支えてくださっている方々のためにも精進しようと思うお言葉でした。そして、LT出向は本当に貴重な体験なのだなと改めて感じました。青年研修会へ参加する前の数週間は、全員で十六箇条のお稽古を繰り返してくださりありがたかったです。研修会で学んだ事は、茶道の基礎でした。業躰先生の多くはとても気さくで、茶道の要素の中で何か自分が一番好きなもの、興味を持ったもの一つを掘り下げて学んでみるとよいのではとお言葉をいただきました。これから探してみたいと思います。
思い出深いもののひとつは、ナショナルコンファレンスいわき2016です。
茶杓削りプロジェクト、実行委員会の皆様のお手伝い、オプショナルツアーでは、作町東団地集会所でお呈茶をしました。中には津波被害後にお友達が送ってくれたおしゃれな浴衣を着て参加いただいた方がいらっしゃいました。せっかくの機会だから初めて袖を通したと微笑まれた女性の笑顔が忘れられません。
29期LTでは、この時に作られた茶園の継続的な見守り、管理を総本部からのご提案で進めることとなりました。私達と同期となった茶の樹とともにいわきへの想いを続けていきたいものです。また、今日庵席が設けられ、そのお水屋のお手伝いをさせていただいたり、大変有意義なナショコンに今期LT出向員として参加できたことは、まさに一期一会と感謝しております。
全国代表者会議参加者の皆様へのお呈茶では、準備の段階から仲間で様々な意見が出され、当日までの時間を濃厚に過ごせた気がいたします。直前の熊本貫道プロジェクト、NCいわきにも思いを馳せ、御家元がご用意くださった六枚のご染筆はお床に一枚、凛とした青竹に五枚を飾らせていただきました。この青竹のご準備、監修をいただいた谷村丹後先生ともやはり前期LT出向員からのご紹介で今年いただいた素敵なご縁でした。
バタバタと慌ただしい中、ここでもまた会議にご参加される先輩方々に暖かく見守っていただき本当に心強かったです。会議の中で催していただいた修了式でも、先輩方に沢山の拍手をいただき万感の想いで会場を後にしました。
この一年は本当に多くのことを学び、感謝をした日々でした。大切な34名の仲間との沢山の思い出もできました。自分の未熟さ、無学さを痛感しましたが、それを恥じたり、隠したりするのではなく、これこそが精進していく、成長していくチャンスなのだと感じられるようにもなりました。
経験したこと、学んだことを自分なりに吸収し、ブロックや県の青年部活動に還元できるよう、また後につづく後輩たちにもこの思いをつないでいけるように精進したいと思います。おかげ様で未来へつながる充実した愉快な一年でした。
ありがとうございました。

高岡青年部 池田 望

私は青年部へ入会してすぐに北陸信越ブロック会員大会があり、エクスカーションのお手伝いをさせて頂き、運営側を少しだけ体験したことで、初めて青年部の活動に興味を持ちました。
先輩方や師匠からLT研修を薦められ、幸運なことに研修を受ける機会を与えて頂きました。正直LT研修の目的もよく理解しないまま第1回研修を迎え、青年部に入って間もない、決して周りを引っ張るようなタイプではない自分がリーダーを育成するというレベルの高い研修に参加させて頂いても良いのかと悩みました。
しかし開講式にて御家元より『引っ張っていくだけがリーダーではなく、その人の立場にまで下りて寄り添うこともまたリーダーである』というお言葉を頂戴し、自分なりに精一杯研修に臨みました。

この1年間に亘りとても有意義な体験と青年部のことをはじめ親支部、学校茶道、社会など様々なものとの係わりについての講義を受講させて頂きました。
また29期メンバーが4つのグループに分かれ、それぞれに独自の活動も行いました。

私は呈茶委員会というグループに所属し、一番大きな活動は第2回研修でもある青年研修会前のオリエンテーションで参加者の方へお呈茶をさせて頂くことでした。
お呈茶は参加者の方の緊張を癒すことが出来たらと『Welcome』というテーマで行いました。
出会って間もなく大きな役目をやり遂げたことで、特に呈茶委員会のメンバー同士とても深い絆で繋がることが出来ました。
青年研修会では業躰先生から実技の直接指導をして頂きました。
今までは手順を追うことに精一杯でしたが、所作ひとつひとつに意味が込められていること、何のためにお茶を点てるのか、設えに込められた想いなど基本的なことを教えて頂き、また何も考えずにお稽古をしていたのだと気付かせて頂きました。

呈茶委員会ではLT同期に研修中の緊張を癒してもらいたいと毎回テーマを決めて呈茶をさせて頂きました。夜遅くにも拘らず、沢山の笑顔を頂戴することが出来ました。また「今回も楽しみにしてるね」という同期の言葉がとても嬉しかったです。
高価なお道具は無くとも『相手を思う気持ちを込めることが最も大切』なのだと改めて感じることが出来ました。

29期は御家元の還暦や京都、東京以外での初開催のいわきナショナルコンファレンス、熊本貫道プロジェクトなど前例にないことが多い恵まれた年でした。
特にNCでは現地に赴き被災された方と直接交流させて頂き、実際に行動し体験することの大切さ、相手を思う気持ちは通じまた自らに返るのだということを実感することが出来ました。
そして最終研修での呈茶席のテーマ『還る』は、29期のテーマでもありました。
私の『還る』は『初心に還る』です。この1年を通して茶道が総合芸術であること、茶道について本当に何も知らないのだと痛感致しました。今後のお稽古、青年部活動、茶道に携わる全てのことに新たな気持ちで向かい合いたいと思っております。

そして研修での1番の宝物は、LT29期33名を始め、全国に多くの仲間が出来たことです。
たった6回しか会っていない同期がかけがえのない自慢の友人となりました。
北陸信越ブロックの先輩方はいつも気に掛け、優しく、愛情深く見守って下さいました。
研修を通じて出会った全国の方々、またお会いしましょうと約束して下さいました。

講義の中でLT研修は青年部初心者の方にこそ是非参加してもらいたいというお言葉がありました。私も初心者でしたが、本当に得るものが多い有意義な研修でした。
少しでも興味があればぜひ多くの方に参加して頂きたいです。

福井青年部 片川雅美

坐忘斎御家元様よりご裁可を頂き、福井青年部より29期LT出向員として研修を受けさせて頂きました。LT研修に参加させて頂く度にたくさんの学びがあり、いずれも素晴らしいものでした。座学の単独研修では模擬青年部として議論し、課題や想定に合わせて今後の青年部をどのように運営していくべきかを話し合い、発表をしました。研修の中で一番印象深いのは、いわきの地で開催されたナショナルコンファレンスです。初めて地方で開催されたナショナルコンファレンスで、私は仮設住宅の被災者の方に慰問の呈茶をさせていただくエクスカーションに参加させて頂きました。また私たちLT出向員は今日庵席の水屋のお手伝いのお運びをさせていただける貴重な機会も頂きました。これまでも単位青年部でチャリティ茶会や慰問茶会などボランティア活動をさせて頂いておりましたが、復興支援としてナショナルコンファレンスがいわきで開催されたことで、私たち茶道を愛好する青年の団体「淡交会青年部」が更に高い社会貢献ができる団体へと力強く一歩を踏み出す機会を頂けたように感じ、感動で鳥肌が立ちました。
12月には全国代表者会議の呈茶席を卒業茶会として担当させて頂きました。総本部のご指導を仰ぎながら、今年らしさを大切にし、お席を作り上げることを目標に、みんなで知恵を出し合い頑張りました。当日、私は水屋リーダーを仰せつかりました。まずは電源を確保しお湯を沸かしたいと思い、朝一番にホテルの従業員の方にパントリーの電源の系統を確認してから配線し、ポット3台でお湯を沸かしはじめました。しかし、沸騰する前にブレーカーが落ち、ホテルの電気施設担当者の方に復旧作業にあたっていただきました。最終的には、パントリーの電源系統では耐えられないことがわかり、急遽、会場のコンセント2か所から電源を延長コードでひっぱり、お茶席開始前までに水屋でお湯を沸かすことができました。もし最初の電源確認が遅く直前にブレーカーが落ちていたら、お茶会にお湯が間に合わないところでした。卒業茶会が無事に終わり本当にホッとしました。茶会の準備をするにあたりLT出向員どうしが、それぞれ相手を思いやり、足りないところを助け合いながら進めてきました。一緒に茶会の成功を目指したこの経験が、LT研修の大きな学びだと感じています。そしてLT29期という仲間を得られたことが何よりの喜びです。最後の研修を終え無事、卒業を迎えることができましたこと大変嬉しく思っております。本当にありがとうございました。

福井青年部 吉岡 供仁子


開講式に始まり、さほど打ち解ける時間もないまま、初めてのメンバーミーティングとなりました。さっそく代表幹事を決め、一年間の活動を想定して委員会にわかれ、委員長を決める。一年(実質十ヵ月)で六回、濃密で充実したLT研修が、こうして始まりました。
第二回研修は、LTメンバーが班リーダーをつとめての青年研修でした。夜にはLT企画の懇親会や班毎のグループディスカッションで親睦を深め、一日の学びを共有しました。
第三回研修は、いわきでのナショナルコンファレンスでした。実行委員として活躍される先輩方のリーダーシップを目の当たりにしながら参加させて頂き、実際の活動を通してリーダーの役割を考える機会となりました。
第四回・第五回研修は、茶道学園での講義研修が中心となりました。裏千家について、淡交会について、青年部について、学茶や海外活動についてなど総本部の方々から直接おはなし頂きました。歴史や目的、青年部の在り方、リーダーとは何か、さらには青年茶人としての自覚など具体的な活動よりも、もっともっと根本的なところについて知り、考えるきっかけとなりました。また、OB講義の時間には、青年部活動について、支部や学茶との連携について経験をもとにおはなし頂きました。「自分達がしてきた通りにしなさいとは、決して言いません。さらなるチャレンジを」とのお言葉で、青年部に求められていることを再認識しました。
第六回研修では、二回目の三分間スピーチでした。それぞれにこれまでの学び、一回目での反省をふまえたスピーチでした。発表者を見守る温かな眼差しと、これまで研修を共にしてきた仲間としての一体感が教室を包んでいました。緊張と不安が漂う初回研修時とは、全く違う雰囲気だったことがとても心に残っています。最終日の呈茶は、本当にたくさんの意見交換を重ねて迎えた当日でした。この呈茶に向けての活動は、経験することで、身にしみてわかるということの連続で大変な思いをした分たくさんの学びを頂きました。いよいよ先輩方をお迎えするときには、参観日を迎えたようなドキドキとそわそわでしたが、始まればみんな精一杯で、あっという間に終わってしまいました。
全研修を通して様々な角度からリーダーについて考える機会を、感じる機会を与えて頂きました。これまで先輩方に導かれ受動的な活動をしていた私にはなかった視点を知り、講義と実践に、より深い学びへと導かれたこの一年。たくさんの情報と経験が押し寄せ、自分自身の中で、まだ全てを消化できていないと感じていますが、振り返ればブロック研修チームを終えたときもそうだったように思います。その後の活動の中で折に触れ、経験したこと、教えて頂いたことが思い出され、未熟な私は、何度も助けられています。これから、この1年の経験に助けられることがたくさんあると思います。その度に、仲間と共有し、学びを伝えていくことがこれからの私の役目だと感じています。その過程で自分自身も少しでも成長できたらと思います。経験しなければ得られないことがあることを改めて実感しましたので、どなたも機会がありましたら、ぜひ手を挙げてください。先輩方がそうしてくださったように、私も全力で応援したいと思います。
最後になりましたが、この貴重な機会を与えて下さいました皆様にお礼申し上げます。おかげさまで無事に1年間の研修を終える事ができました。ありがとうございました。

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