行事名 輪島塗 沈金体験 ~伝統技術の学びと、被災地域復興への願いを込めて~
開催日 令和7年 9月7日(日) 9:30 ~ 18:00
開催場所 料亭 雁月(穴水町)、輪島塗工房長屋(輪島市)
参加者数 青年部 12名
講師 石川青年部OB 岡本氏、輪島塗工房長屋職員様
行事内容
昨年、能登地域を中心とした震災があり、富山・石川では大きな被害を受け、現役青年部・OBOGにも被害に遭われた方も多くいます。伝統工芸の一つである輪島塗が盛んな輪島市でも大きな打撃を受け、今も復興に力を入れています。そこで、今回のテーマは、震災に負けずにその土地で働く方々や伝統工芸を守り続ける方々のお話を聞いて町の再生が行われている瞬間に立ち会うこと、また実際に輪島塗を体験し北陸の伝統工芸について理解を深めることを目的に、行事を企画しました。 当日は、復興応援の一環として石川青年部OBの岡本氏が営むご飯処で昼食をいただきました。食後にはお茶を点てて、岡本氏やスタッフの方々含めて、七尾市の梅屋常五郎さんのお菓子と一緒にいただきました。その後、震災直後からこれまでの岡本氏の取り組みについてお話をお聞きしました。さらに、輪島市へ移動し、輪島塗工房長屋さんにてお箸の沈金体験を行いました。
所感
まず、岡本氏のお話を頂戴し、自らも被害に遭われて避難所生活を送る中、食料が行き届いていない現状を受けて食料を集めて炊き出しを行い、奉仕活動に精を出されていたことに感銘を受けました。また、「日常を取り戻すためには?」を考えたときにお茶のある生活を思い出されて、避難所でお茶を点てて振る舞い、被災者の方々が少しリラックスされていたお話を聞き、お茶を通して出来ることは、辛い環境においても心の落ち着きをもたらすことや、人と人との交流や支え合いの場にもなることであると学びました。避難所で人のために働き続けた岡本氏ですが、青年部時代の友人が応援に駆けつけてくれた時は涙が止まらなかったそうで、青年部としての繋がりの大切さについてもお伺いすることができました。参加した会員たちは、真剣にお話をお聞きしており、今お茶ができることのありがたみを感じたり、いざ何かあったときにお茶がきっかけで心の落ち着きを得られることを再認識できたことと存じます。次に、輪島塗工房長屋さんでの沈金体験では、お箸に思い思いのデザインをノミで彫り、金粉を埋め込みMy箸を製作しました。お箸は彫りを入れる面が狭く、ノミでの細かい作業に苦戦もしましたが、みんなで「こんな感じかな?」と和気あいあいとしながら作業ができました。作業の途中では、漆の匂いを嗅いでみたり、近くにいる職人さんに輪島塗の説明をしていただいたりし、会員同士だけでなく、職員さんとも交流しながら輪島塗の工程について学ぶことができました。また、職員さん自身も仮設暮らしが続いている様子も伺い、懸命に暮らしながら伝統技術を守る姿をみて、この街に輪島塗が根付き大事な産業の一つとなっていることを感じました。穴水町や輪島市へ向かう道路状況もまだ悪く、復興への道のりはとても長いことを感じましたが、お茶を通して復興支援ができることを学び、今後も奉仕の心を大切にしながら活動を続けていきたい所存です。




